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【社長コラム】それはいつも南からやってくる

2017年11月29日
【社長コラム】それはいつも南からやってくる

「家族葬」が市民権を得て久しい。

少し前まで、家族を亡くした遺族からは
「家族葬でやりたいんですけど・・・」
と悪いことをするみたいに言われていたのに、
今では6割以上の方から「家族葬」のお葬式を請け負うようになった。

家族葬の言葉が頻繁に聞こえるようになったのは
かれこれ15年前にさかのぼるだろうか、
しかし都内では
“会社も近所も参列を断る、少人数の葬儀”
がすでに半分以上に達していたと聞く。
ということで葬儀スタイルの変動の波は首都から始まり、
遠方の田舎になるほどウネリをともなって
風習や伝統を押し流していく。
かつてひとたび葬儀が発生すれば、向こう三軒両隣はもちろん、
近所一帯から人が集まり、やれ誰が葬儀委員長だの
やれ受付、会計、買出し、煮炊き、
ちょっとしたお祭りのようになっていたことが、遠い遠い昔のように思える。
そこでは人と人の繋がりが密で
お年寄りから葬儀の意味や慣習を教えられてきた。

だが「昔はよかったなー」とノストラジックに浸っているヒマもなく、
すでに新しい波が、また都内の方からやってきそうだ。
お通夜を省いた葬儀、「1日葬」だ。
もうすでに埼玉でも都内沿いでは半分以上が「1日葬」になっている・・・
と地元の葬儀社さんから伺った。
家族葬のときと同じだ。
しかしその波は以前より早い。
なぜならすぐ後に、火葬だけの葬儀「直葬」の波が発生しているからだ。
おそらく5年もたたないうちに、ここ熊谷周辺も「1日葬」がスタンダードになっているだろう。
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家族葬、1日葬、直葬・・・葬儀の選択肢がこれまでにないくらい増えた。
それは消費者には喜ばしいことだが
テレビのチャンネルが増えたように、どれを選ぶべきか迷うことも増えた。
ただ自分勝手に色好みで選び抜くことは、
故人の意志、遺された家族の心情、これまで培ってきた地域との繋がり、
そして宗教者の存在をも無視することなるので、非常に危険だ。
たくさんの人や時間までも飲みこみながら、新しい波は次から次へと南からやってくる。
地域の葬儀社は、はるか彼方、水平線の向こうを望み、
波を読む力を持たなければ、地域のお客様にしっかりとしたサービスを提供できないと思うのである。


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